インキュベーション・マネジャー等が、起業・新事業創出の経験を活かし、滋賀の起業を志し未来を切り拓く人を育成する場の提供事業を行います。

2.顧客の葛藤を明らかにする



 最初に、顧客が取り組もうとしていることに注目しました。機能的、社会的、個人的あるいは感情的という3つの視点で、顧客のプロフィールを明らかにしました。

 今度は、顧客が取り組もうとしていることに対して、できないことや障害となること、またはリスクを明らかにしていきます。ひと言でいうと、「葛藤」です。

 真夏の暑い日の気温は39度、部屋は熱気でむんむんです。あまりにも暑いためクーラーをガンガンにかけて、涼しくしたいと考えますが、1か月後の電気代が気になり、ガンガンに冷やすをためらい、28度程度にするというような例です。さりとて、電気代がかかるからと、暑いままでは熱中症となり、生命が危険にさらされます。

 つまり、顧客がやりたいことと、やるための阻害要因の間で、葛藤が生じているのです。そこには、深刻さの度合いが異なります。度合いの深刻さを把握できればいいのです。そこで、3つの視点で考えます。
 
1.問題、望ましくない結果、特徴
 起業を志す方の場合、起業に失敗するという望ましくない結果があります。ビジネスプランを書きたいけれど、書き方がわからない。売上をあげたいが営業の経験がない。など機能的なものがあげられます。
 他には、数字は苦手で、考えるだけでイヤになる。起業したいけれど、勉強するのはイヤだなんていうのもあるでしょう。運転が苦手だから、都会に自動車でいくのはイヤだという、付随的なものもあります。また、このデザインがイヤだというのも含まれます。

2.障害
 顧客が取り組もうとしていることに対して、障害となること。たとえば、値段が高い。時間がかかりすぎるなどがあげられます。

3.リスク
 起業の場合は、起業すること自体が失敗をはらんでいるリスクがあると言えます。望ましくない結果になる可能性のあるものが、これに該当します。

 葛藤には、深刻さがあります。3つの視点で書き出したものを、深刻さが高いものを順位づけしていきます。顧客がやりたくても、できないことを明らかにすれば、それを取り除くが、少なくすればいいのです。
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